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2015年度 秋山財団賞、研究助成、ネットワーク形成事業助成が決まりました。

category : お知らせ, 助成事業 2015.6.21

1.秋山財団賞:1件 褒賞金200万円

2015年4月1日現在で北海道内の研究機関等に所属し、生命科学の進歩発展に顕著な功績をあげた研究者が対象です。

受賞者

清水 宏 (シミズ ヒロシ)氏( 60歳 )

所属・役職

北海道大学大学院医学研究科 皮膚科学分野 教授

受賞テーマ

先天性難治性皮膚疾患の病態解明と新規治療法の開発

受賞理由

先天性難治性皮膚疾患は根本的治療がまだ無い臨床的に重症な疾患群で、健康社会の実現に向けて、治療法開発は切望されて来た。清水宏氏は、皮膚の先天性難治性疾患である表皮水疱症(epidermolysis bullosa, EB)の原因と病態解明、治療法開発を目的とした基礎研究および臨床研究に一貫して取り組み、多大な業績をあげた。EBは、皮膚細胞をつなぎとめるタンパク質が生まれつき欠損する疾患で、患者は人や物に擦れる、寝返りを打つなどのわずかな刺激により皮膚の層がはがれ、全身の皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)やびらん(ただれ)が出来る。繰り返す皮膚のダメージや痛みにより歩くことや食べることにも困難がともなう。
清水氏は、皮膚基底膜の形態学的および分子生物学的研究やEBモデル動物開発などの基礎研究、遺伝子導入や骨髄移植、自家培養表皮シート療法確立等の臨床研究に取り組み、その研究成果は国際水準からみても卓越している。その先駆性、独創性、発展性を兼ね備えた 研究は、世界的にも高く評価され、Nature Medicine、Lancet、Cell、PNAS等のトップジャーナルを含む600報以上の英文研究論文を執筆するなどの傑出した研究業績として結実 している。このように清水氏は、皮膚科学をリードする研究者であり、また免疫遺伝学分野においてもその業績は突出し、広く健康維持・増進に関連する生命科学の基礎および応用 研究の発展に大きく貢献した。
また清水氏は、皮膚科臨床医師としても患者を第一に考えて活動し、EB患者のQOL向上にも貢献している。現在全国組織のEB患者の会「表皮水疱症友の会(DebRA Japan)」は、2007年5月に清水氏の牽引により、清水氏の患者達が札幌において設立した患者会を基盤としており、その設立経緯や同会のアドバイザーとしての活動は、清水氏の人間性を物語るものであると同時に、道民の福祉向上と北海道発の社会貢献にも寄与していると高く評価する。
清水氏は、学生教育や人材育成にも尽力し、2005年に出版された清水氏単著の「あたらしい皮膚科学」は、現在我が国で最も読まれている斯界の皮膚科教科書である。また、清水氏単著の英語版教科書Shimizu`s textbook of dermatologyをWEBサイトで無料公開し、世界中の皮膚科学者の教育を広く担い、教育面での国際的貢献度も多大である。一方、皮膚科学教授として皮膚科領域の人材育成にも熱心に取り組み、北海道大学に就任以来5名の国立大学の主任教授を育成し、日本全国へ輩出した点は特筆すべき貢献である。
以上の様に清水宏氏は、北海道を活動拠点とし、日本のみならず世界をフィールドに活躍 する傑出した皮膚科学・医学研究者である。北海道の地で得られた常に最新の知見や情報を世界に発信し続けているその多大なる業績と社会貢献は、本財団賞の受賞に相応しいと 考え、今年度の秋山財団賞として採択する。

[代表的な学術論文]
Nishie W, Sawamura D, Goto M, Ito K, Shibaki A, McMillan JR, Sakai K, Nakamura H, Olasz E, Yancey KB,
Akiyama M, Shimizu H:
Humanization of autoantigen.
Nat Med 13: 378-383, 2007.

[代表的な著書]
『あたらしい皮膚科学』 清水 宏 著(中山書店)
『Shimizu’s Textbook of Dermatology』Hiroshi Shimizu (author)(Hokkaido University Press)

(敬称略、所属・役職等は受付時のものです)

 
 
2 -(1) 研究助成〈一般〉:13件  1,180万円 [贈呈額:100万円(9件)、70万円(4件)]

北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者を対象とします。
年齢は問わないが若手研究者を期待、また自立的或いは共同で研究を行う研究者を対象とします。

研究者氏名

畠山 鎮次(ハタケヤマ シゲツグ)

贈呈額:70万円

所属・役職

北海道大学大学院医学研究科 教授

研究テーマ

ユビキチンリガーゼによる脂肪細胞の分化シグナル制御の解明

研究者氏名

舘野 高(タテノ タカシ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学大学院情報科学研究科 教授

研究テーマ

非侵襲性の超音波刺激法を応用した耳鳴り抑制機構に関する生理学的基礎研究

研究者氏名

石津 明洋(イシヅ アキヒロ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学大学院保健科学研究院 教授

研究テーマ

MPO-ANCA関連血管炎に対する副作用の少ない患者にやさしい新規治療法の開発

研究者氏名

東藤 孝(トウドウ タカシ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学大学院水産科学研究院 准教授

研究テーマ

胎生魚(メバル属魚類)における人為的繁殖統御技術の確立

研究者氏名

中尾 稔(ナカオ ミノル)

贈呈額:100万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 准教授

研究テーマ

寄生虫の宿主転換:北海道のアズマヒキガエルが教えてくれること

研究者氏名

氏家 英之(ウジイエ ヒデユキ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学病院皮膚科 助教

研究テーマ

臓器特異的自己免疫疾患におけるIgE自己抗体の役割の解析

研究者氏名

磯田 典和(イソダ ノリカズ)

贈呈額:70万円

所属・役職

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 准教授

研究テーマ

北海道におけるエゾシカ群内におけるヨーネ病疫学調査とヨーネ病疾病モデルの作製

研究者氏名

増田 隆一(マスダ リュウイチ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学大学院理学研究院 教授

研究テーマ

北海道および北方域の希少種・固有集団の進化起源と多様性に関する保全遺伝学的研究

研究者氏名

小林 正紀(コバヤシ マサキ)

贈呈額:70万円

所属・役職

北海道大学大学院薬学研究院 講師

研究テーマ

胆汁酸の輸送特性を反映した胎児毒性の回避戦略

研究者氏名

北村 浩(キタムラ ヒロシ)

贈呈額:100万円

所属・役職

酪農学園大学獣医学群 教授

研究テーマ

遺伝子編集技術による黒毛和牛先天性疾患治療のための基盤整備

研究者氏名

西川 祐司(ニシカワ ユウジ)

贈呈額:100万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 教授

研究テーマ

分化転換-再分化サイクルを利用したin vitroにおける肝細胞増幅の試み

研究者氏名

上井 幸司(ウワイ コウジ)

贈呈額:70万円

所属・役職

室蘭工業大学大学院工学研究科 准教授

研究テーマ

微量ハイスループットスクリーニング法を利用したアオジソ含有Aβ凝集阻害物質の探索

研究者氏名

寺尾 晶(テラオ アキラ)

贈呈額:100万円

所属・役職

北海道大学大学院獣医学研究科 准教授

研究テーマ

パーキンソン病随伴睡眠障害におけるオレキシン及びメラニン凝集ホルモン神経の役割

(受付順。敬称略、所属・役職等は受付時のものです)

 
 
2 -(2) 研究助成(奨励):20件  1,000万円   [贈呈額:50万円]

北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者を対象とします。
申込時の年齢が40歳未満で、また自立的研究を行う研究者を対象とします。

研究者氏名

新熊 悟(シンクマ サトル)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院医学研究科 特任助教

研究テーマ

表皮水疱症の自家培養細胞を用いた遺伝子治療の開発

研究者氏名

佐藤 精一(サトウ セイイチ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学遺伝子病制御研究所 助教

研究テーマ

新しい自然免疫活性化メカニズムを基盤にしたB型肝炎ウイルス根絶を目指した基礎研究

研究者氏名

藤岡 容一朗(フジオカ ヨウイチロウ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院医学研究科 特任助教

研究テーマ

インフルエンザウイルス感染を制御する宿主細胞因子の探索と受容体の同定

研究者氏名

山口 聡一郎(ヤマグチ ソウイチロウ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院獣医学研究科 助教

研究テーマ

難聴の原因となる膜タンパク質(TMC)の機能解析:新しい転写調節機構の可能性

研究者氏名

福村 忍(フクムラ シノブ)

贈呈額:50万円

所属・役職

札幌医科大学医学部 診療医

研究テーマ

骨髄間葉系幹細胞移植による難治性てんかん治療の開発

研究者氏名

佐藤 恵亮(サトウ ケイスケ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道薬科大学薬学部 助教

研究テーマ

オートファジー誘導化合物の抗酸化作用に関する研究

研究者氏名

提箸 祥幸(サゲハシ ヨシユキ)

贈呈額:50万円

所属・役職

農業・食品産業技術総合研究機構 主任研究員

研究テーマ

イネ幼苗の低温耐性メカニズムの解明

研究者氏名

小泉 逸郎(コイズミ イツロウ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院地球環境科学研究院 准教授

研究テーマ

都会のエゾリスは働き過ぎ?!都市化が引き起こす野生動物への新たな影響

研究者氏名

阿部 匠(アベ タクミ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道医療大学薬学部 助教

研究テーマ

トリエンの銅触媒カルボ6π-電子環状反応を用いる縮環型カルバゾールの合成

研究者氏名

佐々木 瑞希(ササキ ミズキ)

贈呈額:50万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 助教

研究テーマ

条虫における新しい遺伝子発現抑制法の開発

研究者氏名

芳賀 早苗(ハガ サナエ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院保健科学研究院 博士研究員

研究テーマ

慢性肝疾患の予防・改善を目的とした機能性食品のスクリーニング法の開発

研究者氏名

戸上 紘平(トガミ コウヘイ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道薬科大学薬学部 講師

研究テーマ

microRNA粉末吸入剤による遺伝子制御を基盤とした肺がんの革新的治療への挑戦

研究者氏名

村田 亮(ムラタ リョウ)

贈呈額:50万円

所属・役職

酪農学園大学獣医学群 講師

研究テーマ

MALDI-TOF MSを用いた、Salmonella Typhimuriumの鑑別・同定法の構築

研究者氏名

大栗 敬幸(オオクリ タカユキ)

贈呈額:50万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 助教

研究テーマ

脳腫瘍特異的変異がん抗原とSTINGを標的とした革新的免疫治療法の開発

研究者氏名

鹿原 真樹(カバラ マキ)

贈呈額:50万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 特任助教

研究テーマ

新規毛細血管幹細胞の機能制御機構の解明 -心血管疾患の治療法開発にむけて-

研究者氏名

黒木 喜美子(クロキ キミコ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院薬学研究院 助教

研究テーマ

免疫制御受容体CD160の機能制御を目指した立体構造解析

研究者氏名

村井 勇太(ムライ ユウタ)

贈呈額:50万円

所属・役職

北海道大学大学院先端生命科学研究院 助教

研究テーマ

芍薬中に含まれるペオニフロリンが標的とするタンパク質の網羅的解析

研究者氏名

宮園 貞治(ミヤゾノ サダハル)

贈呈額:50万円

所属・役職

旭川医科大学医学部 助教

研究テーマ

本能的に恐怖を感じる匂いを応用した野生動物に対する忌避剤の開発

研究者氏名

川合 佑典(カワイ ユウスケ)

贈呈額:50万円

所属・役職

帯広畜産大学動物・食品検査診断センター 助教

研究テーマ

環境汚染物質に対する北海道に棲息する野生動物(ハシブトガラス)の適応

研究者氏名

冨川 創平(トミカワ ソウヘイ)

贈呈額:50万円

所属・役職

おびひろ動物園 飼育展示係 主任

研究テーマ

北海道の野鳥を対象としたハトトリコモナス原虫の感染実態解明

(受付順。敬称略、所属・役職等は受付時のものです)

 
 
3 -(1)ネットワーク形成事業助成【A】

A“地域をつなぐ”プロジェクト:2件200万円[贈呈額:100万円](2件)
(2015年度~2017年度までの3年間継続助成)

北海道において、さまざまな領域で直面する新たな社会的課題を解決するために、共通の目標に向かってさまざまな人々が「プラットホーム」を形成して分野横断的な「ネットワーク」を構築しながら、持続的な「地域をつなぐプロジェクト」を推進し、自らが地域が必要とする新たな公益の担い手を目指す「プロジェクト」を支援します。

プロジェクト名

厳冬期の災害に向き合い、「地力(ちぢから)」の向上でいのちを護る

代表者

根本 昌宏(ネモト マサヒロ) 日本赤十字北海道看護大学 教授

概要

冬の万が一への対策は、すべての地域が万全ではない。北海道実証プロジェクトが自助・共助・公助を包含した「地力」を高め、寒冷地域のいきる力を増幅する。

プロジェクト名

「生きづらさ」を原動力に「生きること」の意味を再発信!

代表者

日置 真世(ヒオキ マサヨ)

概要

「生きづらさ」を、自ら実感・体験した若者たちが語り合い、発信することで課題の核心を地域社会に問いかけ、多様な人たちの解決へのアクションへとつなげます。

(受付順。敬称略、所属・役職等は受付時のものです)

 
 
3 -(2)ネットワーク形成事業助成【B】

B“いのちをつなぐ”プロジェクト:2件80万円[贈呈額:30万円](1件)
[贈呈額:50万円](1件)
(2015年度~2017年度までの3年間継続助成)

3・11の地震・津波の自然災害と原発事故を受けて、社会、産業、地域そして生活のあり方を“いのちをつなぐ”という観点から捉えなおし、価値観の転換を図る、新しい時代の胎動を予見させる意欲的な取り組みを支援します。若い世代が「プラットホーム」の中核を形成して分野横断的な「ネットワーク」を構築しながら、持続的な“いのちをつなぐ”プロジェクトを推進すること、次世代の担い手(中学生・高校生・20歳未満)がプロジェクトの中核を担う事とアウトリーチ活動の実施を必須条件とします。

プロジェクト名

北の高校生会議

代表者

田中 駿介(タナカ シュンスケ)旭川東高校3年、学生団体 北の高校生会議 代表

概要

北海道内の高校生が集まり、「貧困」や「安全保障」などの社会的課題についてプレゼンテーションを聞いたり、ディスカッションをしたりして意見交換をするプログラム。

プロジェクト名

明日のニセコエリアの礎は私達が創る“本物の農”の営みから!

代表者

村上 勇太(ムラカミ ユウタ) 北海道倶知安農業高等学校 生産科学科 2年

概要

国際エリアニセコに生きる喜びと、命をつなごうという強い意志でネットワークを形成し、基幹産業である農業を基盤とした持続可能な地域循環型社会の新たな町作りの一端を担う取組としたいです。

(受付順。敬称略、所属・役職等は受付時のものです)

 
 

【2015年度 秋山財団賞及び各種助成金】

区           分

件    数

金         額

1.   秋山財団賞

1件

2,000,000円

2-1. 研究助成金《一般》

13件

11,800,000円

2-2. 研究助成金《奨励》

20件

10,000,000円

3-1. ネットワーク形成事業助成金【A】(新規)

2件

2,000,000円

3-2. ネットワーク形成事業助成金【B】(新規)

2件

800,000円

※   ネットワーク形成事業助成金(継続)

5件

5,500,000円

合           計

43件

32,100,000

 
 

※ネットワーク形成事業助成(継続助成分)の概要

【2013年度に採択となったプロジェクト(2015年度終了)】

プ ロ ジ ェ ク ト 名

代  表  者

2015年度
贈呈額

次のエネルギー社会を担う人を生み出す

エネチェン支援塾

《 A“地域をつなぐ”プロジェクト 》

岩井 尚人(イワイ ナオト)

(一社)プロジェクトデザインセンター(札幌市) 専務理事

100万円

ハッカの香るまちづくり

~地域の伝統的農産物を後世に伝えよう~

《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》

西山 沢光(ニシヤマ タクミ )

北海道美幌高等学校 3年

50万円

ともにつくろう!江別から発信 食文化の創造

《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》

鈴木 みなみ(スズキ ミナミ)

とわの森三愛高等学校 3年

50万円

高校生による被災地とのネットワーク形成

《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》

石井 亮太郎(イシイ リョウタロウ)

50万円

 

【2014年度に採択となったプロジェクト(2016年度終了)】

プ ロ ジ ェ ク ト 名

代  表  者

2015年度
贈呈額

大地といのちをつなぐプロジェクト

(LoCoTAble)

《 A“地域をつなぐ”プロジェクト 》

高橋 祐之(タカハシ ヒロユキ)

漁師・畜産農家・えりも地域力発掘協議会会長

300万円

 
 

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