1.秋山財団賞:1件 褒賞金200万円
平成26年4月1日現在で北海道内の研究機関等に所属し、生命科学の進歩発展に顕著な功績をあげた研究者が対象です。
受賞者 |
島本 和明(シマモト カズアキ)氏( 67歳 ) |
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所属・役職 |
北海道公立大学法人 札幌医科大学 学長 |
受賞テーマ |
高血圧、メタボリックシンドロームの疫学・基礎・臨床研究による包括的研究 |
受賞理由 |
島本氏は一貫して高血圧、糖尿病、動脈硬化等の生活習慣病の研究に従事し、心血管病の危険因子について包括的な研究を進め、新しい診断法、治療法の確立とその普及に多大な貢献をされた。 動物や培養細胞を用いた基礎研究、患者を対象とした臨床研究に加えて、道内の特定地域における疫学研究など手法の異なる研究を統括して推進することにより、高血圧やメタボリックシンドロームの病態解明に貢献し、また、新たな診断法や診断基準の根拠となる知見を国際的な学術雑誌に数多く発表し、その成果は実際にこれら疾患の診療ガイドラインに反映されている。 特に、37年間に亘り北海道の端野町、壮瞥町において循環器疾患とその危険因子に関して疫学研究を継続的に行われた事は特筆されるべきであり、この研究を通じて、疫学研究と基礎・臨床研究とを結び付け、最新学問の知見を我々のQOL向上へとつなげるための包括的研究手法の手腕には極めて卓越するものがある。 また、最近は、大豆やタマネギの抗酸化作用を疫学研究によって証明するなど、北海道フード特区の事業の推進にも大きく寄与し、医農連携の取り組みを通じて、北海道の農業・水産業推進に対して貢献している点も注目すべきである。 さらに、札幌医科大学教授、病院長、学長として医学分野における人材育成にも多大な貢献をしている点も高く評価できる。 島本氏は、これまでに循環器学会、心臓病学会、動脈硬化学会の理事、また高血圧学会の理事長として、学会の運営はもとより研究の推進、各学会の診療ガイドラインの作成にも貢献し、今年4月、5年ぶりに改訂した「高血圧治療ガイドライン2014」は、島本氏が作成委員長として多数の関係者を見事に統括し文字通り国際水準のガイドラインを完成したものである。 島本氏が、高血圧やメタボリックシンドロームを中心に循環器病学、糖尿病学の分野における研究の進歩に顕著な功績をあげ、北海道の地で得られた最新の知見を、我が国及び世界の人々の健康維持、増進へと導いてきた多大な社会貢献は本財団賞の受賞に相応しいと考え、今年度の秋山財団賞として採択する。 [代表的な著書] 『血圧をみる・考える』 (南江堂) 『インスリン抵抗性と生活習慣病―高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満』 (診断と治療社) 『メタボリックシンドロームと生活習慣病―内臓肥満とインスリン抵抗性―』 (診断と治療社) 『メタボ時代の心血管疾患予防と管理―メタボリックシンドロームの疫学・予防対策―』 (診断と治療社) 『高血圧治療ガイドライン2014』 (日本高血圧学会) |
(敬称略、所属・役職等は申込時のものです。)
2 -(1) 研究助成(一般):14件 1,250万円 [贈呈額:100万円(9件)、70万円(5件)]
北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者を対象とします。
年齢は問わないが若手研究者を期待、また自立的或いは共同で研究を行う研究者を対象とします。
研究者氏名 |
南保 明日香(ナンボ アスカ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院医学研究科 准教授 | |
研究テーマ |
Epstein-Barrウイルス感染細胞が放出するエキソソームの機能解析 | |
研究者氏名 |
中矢 正(ナカヤ タダシ) |
贈呈額:70万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院薬学研究院 助教 | |
研究テーマ |
X11Lによって発現制御を受けるアルツハイマー病発症関連遺伝子群の網羅的解析 | |
研究者氏名 |
廣瀬 哲郎(ヒロセ テツロウ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 | |
研究テーマ |
RNA結合タンパク質のヒドロゲル状凝集体形成を促進するRNA配列の探索 | |
研究者氏名 |
岩崎 倫政(イワサキ ノリマサ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院医学研究科 教授 | |
研究テーマ |
iPS細胞から軟骨細胞への機能性糖鎖分化マーカーの探索 | |
研究者氏名 |
室本 竜太(ムロモト リュウタ) |
贈呈額:70万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院薬学研究院 助教 | |
研究テーマ |
自然抗体産生の恒常性維持におけるTYK2の役割 | |
研究者氏名 |
上原 亮太(ウエハラ リョウタ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学創成研究機構 特任助教 | |
研究テーマ |
細胞質分裂における細胞膜くびれ運動の物理メカニズムの解析 | |
研究者氏名 |
荒木 仁志(アラキ ヒトシ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院農学研究院 教授 | |
研究テーマ |
北海道に固有なカタツムリにおける急激な形態多様化の分子メカニズム解明 | |
研究者氏名 |
長里 千香子(ナガサト チカコ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 准教授 | |
研究テーマ |
海産藻類受精卵における極性軸形成機構の解明 | |
研究者氏名 |
佐藤 喜和(サトウ ヨシカズ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
酪農学園大学農食環境学群 准教授 | |
研究テーマ |
国後島における白いヒグマの毛色パタンが採餌行動におよぼす効果の解明 | |
研究者氏名 |
横田 陽匡(ヨコタ ハルマサ) |
贈呈額:70万円 |
所属・役職 |
旭川医科大学医学部 助教 | |
研究テーマ |
毛細血管由来幹細胞(Capillary stem cells)の網膜再生治療への応用 | |
研究者氏名 |
齊藤 幸裕(サイトウ ユキヒロ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
旭川医科大学医学部 助教 | |
研究テーマ |
腫瘍リンパ管内皮細胞培養系の樹立と生物学的特徴の解明 | |
研究者氏名 |
三上 剛(ミカミ ツヨシ) |
贈呈額:70万円 |
所属・役職 |
苫小牧工業高等専門学校情報工学科 助教 | |
研究テーマ |
上気道MRIの画像解析に基づく睡眠時無呼吸症候群の重症度推定に関する基礎的検討 | |
研究者氏名 |
赤坂 司(アカサカ ツカサ) |
贈呈額:70万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院歯学研究科 准教授 | |
研究テーマ |
歯肉退縮を止めるための北海道産材料による歯科用マイクロ・ナノパターンシートの開発 | |
研究者氏名 |
小池 聡(コイケ サトシ) |
贈呈額:100万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院農学研究院 助教 | |
研究テーマ |
微生物間相互作用による植物セルロース分解促進メカニズムの解明 |
(受付順。敬称略、所属・役職等は申込時のものです。)
2 -(2) 研究助成(奨励):18件 900万円 [贈呈額:50万円]
北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者を対象とします。
申込時の年齢が40歳未満で、また自立的研究を行う研究者を対象とします。
研究者氏名 |
田中 暢明(タナカ ノブアキ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学創成研究機構 特任助教 | |
研究テーマ |
海産軟体動物の脳構造の研究 | |
研究者氏名 |
小林 純子(コバヤシ ジュンコ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院医学研究科 助教 | |
研究テーマ |
栄養状態が脂肪滴膜タンパク、PAT proteinsの発現に与える影響 | |
研究者氏名 |
梶田 美穂子(カジタ ミホコ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学遺伝子病制御研究所 助教 | |
研究テーマ |
正常上皮細胞が示す抗腫瘍作用の分子機構の解明 | |
研究者氏名 |
佐藤 真理(サトウ マリ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院歯学研究科 助教 | |
研究テーマ |
第二の脳(セカンドブレイン)として骨をとらえる | |
研究者氏名 |
有木 茂(アリキ シゲル) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
札幌医科大学医学部 講師 | |
研究テーマ |
肺コレクチンによるレジオネラ菌の細胞内増殖抑制の分子機構解明 | |
研究者氏名 |
榎本 賢(エノモト マサル) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
産業技術総合研究所北海道センター 研究員 | |
研究テーマ |
ナノクラスター化による天然物由来高活性新規抗菌剤の開発研究 | |
研究者氏名 |
松丸 尊紀(マツマル タカノリ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院薬学研究院 特任助教 | |
研究テーマ |
C型レクチン受容体に結合する糖脂質の論理的骨格変換および創薬への展開 | |
研究者氏名 |
松浦 裕志(マツウラ ヒロシ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
旭川工業高等専門学校物質化学工学科 助教 | |
研究テーマ |
北海道各地からの藻類バイオマス資源の探索 | |
研究者氏名 |
加藤 いづみ(カトウ イヅミ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院薬学研究院 助教 | |
研究テーマ |
酸化ストレスセンサータンパク質DJ‐1の機能解明 | |
研究者氏名 |
小林 謙(コバヤシ ケン) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院農学研究院 助教 | |
研究テーマ |
乳腺胞上皮細胞と脂肪細胞に着目した泌乳期乳腺におけるグルコース吸収経路の解明 | |
研究者氏名 |
田中 厚子(タナカ アツコ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 特任助教 | |
研究テーマ |
褐藻葉緑体のピレノイド構成タンパク質の同定 ―褐藻における二酸化炭素濃縮機構の解明を目指して― |
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研究者氏名 |
加藤 健太郎(カトウ ケンタロウ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
帯広畜産大学原虫病研究センター 特任准教授 | |
研究テーマ |
クリプトスポリジウム原虫に内在するウイルスの性状解析 | |
研究者氏名 |
田上 貴祥(タガミ タカヨシ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
酪農学園大学農食環境学群 助教 | |
研究テーマ |
レボグルコサンを経由する新奇デンプン代謝経路の解明 | |
研究者氏名 |
岡松 優子(オカマツ ユウコ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院獣医学研究科 助教 | |
研究テーマ |
冬眠動物の体温を制御する熱産生脂肪細胞の発生・誘導機構の解明 | |
研究者氏名 |
植原 治(ウエハラ オサム) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道医療大学歯学部 助教 | |
研究テーマ |
ジャガイモ抽出物による歯周組織へのエピジェネティクス修飾機構の解明 | |
研究者氏名 |
渡邊 崇之(ワタナベ タカユキ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学電子科学研究所 特別研究員 | |
研究テーマ |
昆虫脳の性差を生み出す分子メカニズムの「進化」を探る | |
研究者氏名 |
油田 照秋(ユタ テルアキ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学創成研究機構 学術研究員 | |
研究テーマ |
親鳥は雛の質に応じて繁殖への投資量を変えるか:シジュウカラを使った操作実験 | |
研究者氏名 |
仁木 加寿子(ニキ カズコ) |
贈呈額:50万円 |
所属・役職 |
北海道大学大学院薬学研究院 助教 | |
研究テーマ |
家族性パーキンソン病原因遺伝子DJ-1と長寿遺伝子サーチュインの新規相互作用の解明 |
(受付順。敬称略、所属・役職等は申込時のものです。)
3. ネットワーク形成事業助成
A“地域をつなぐ”プロジェクト:1件100万円[贈呈額:100万円](1件)
(平成26年度~28年度までの3年間継続助成)
北海道において、さまざまな領域で直面する新たな社会的課題を解決するために、共通の目標に向かってさまざまな人々が「プラットホーム」を形成して分野横断的な「ネットワーク」を構築しながら、持続的な「地域をつなぐプロジェクト」を推進し、自らが地域が必要とする新たな公益の担い手を目指す「プロジェクト」を支援します。
プロジェクト名 |
大地といのちをつなぐプロジェクト |
代表者 |
高橋 祐之(タカハシ ヒロユキ) 漁師・畜産農家・えりも地域力発掘協議会 会長 |
概要 |
本プロジェクトの基本理念である「大地に根ざし地域に生きる」を共有できる個人、または団体をプラットホームメンバーとしたネットワークを提案します。経済優先の社会から、こころの豊かさを主軸にした社会に変革させるため、本プロジェクトの活動によって人々のライフスタイルの変化を促したいと考えています。 |
(敬称略、所属・役職等は申込時のものです。)
【平成26年度 秋山財団賞及び各種助成金】
区 分 |
件 数 |
金 額 |
1. 秋山財団賞 |
1件 |
2,000,000円 |
2-1. 研究助成金《一般》 |
14件 |
12,500,000円 |
2-2. 研究助成金《奨励》 |
18件 |
9,000,000円 |
3. ネットワーク形成事業助成金(新規) |
1件 |
1,000,000円 |
※ ネットワーク形成事業助成金(継続) |
7件 |
7,450,000円 |
合 計 |
41件 |
31,950,000円 |
※ネットワーク形成事業助成(継続助成分)の概要
【平成24年度に採択となったプロジェクト(平成26年度終了)】
プ ロ ジ ェ ク ト 名 |
代 表 者 |
平成26年度 |
医療スタッフの地産地消 ~ 住民主導で創る世界一の看護学校 ~ |
森 義和(モリ ヨシカズ) 住んで良し訪れて良しの街づくり実行委員会(留萌市) 代表 |
165万円 |
「みん菜の花」プロジェクト |
エップ レイモンド ロイ メノビレッジ長沼(長沼町) |
165万円 |
歴史は生きる力「れきし・いのち」 プラットホームプロジェクト |
角 幸博(カド ユキヒロ) NPO法人 歴史的地域資産研究機構(札幌市) 代表理事 |
165万円 |
【平成25年度に採択となったプロジェクト(平成27年度終了)】
プ ロ ジ ェ ク ト 名 |
代 表 者 |
平成26年度 |
次のエネルギー社会を担う人を生み出すエネチェン塾 《 A“地域をつなぐ”プロジェクト 》 |
加納 尚明(カノウ ナオアキ) (一社)プロジェクトデザインセンター(札幌市) 代表理事 |
100万円 |
ハッカの香るまちづくり ~地域の伝統的農産物を後世に伝えよう~ 《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》 |
長谷川 まりあ(ハセガワ マリア) 北海道美幌高等学校 3年 |
50万円 |
ともにつくろう!江別から発信 食文化の創造 《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》 |
江藤 健太郎(エトウ ケンタロウ) とわの森三愛高等学校 3年 |
50万円 |
高校生による被災地とのネットワーク形成 《 B“いのちをつなぐ”プロジェクト 》 |
石井 亮太郎(イシイ リョウタロウ) 北海道札幌南高等学校 3年 |
50万円 |
[…] * http://www.akiyama-foundation.org/news/820.html […]